特集
中心から放射状に枝が伸びる抽象的な木の図——「ことばはなぜ変わるのか」の系譜を表す、ToLオリジナルのイラスト

「ことばはなぜ変わるのか」の系譜

ジョーンズからアンソニーまで、これまでの九つの特集を貫く一本の問いをたどり直す。言語の変化は自然の法則か、人間の営みか——この軸の上を、221年にわたって思想が行き来してきた歴史を、六つの章で描く、特集をまたぐ特集。

138

「ことばはなぜ変わるのか」の系譜——地図をひらく

ジョーンズの一段落からアンソニーの考古学まで、これまで書いてきた九つの特集を、一本の問いで貫き直す。言語の変化は、自然の法則にしたがう「自然物」なのか、それとも人間が担う「歴史的ないとなみ」なのか。221年のあいだ、思想はこの軸の上を行き来してきた——その全体地図。

139

対応の発見——ジョーンズとラスク

偶然ではありえない、という直感。それを、確かな手続きに変えるまで。比較言語学が「問い」から「方法」へと変わる、最初の32年間。

140

法則と有機体——グリムとボップ

ラスクの方法は、グリムの手で表になり、ボップの手で比喩を得る。「対応」が「法則」と呼ばれ、言語が「有機体」にたとえられるまでの、11年間。

141

自然物としてのことば——ミュラーとシュライヒャー

同じ1861年、二人の学者が、それぞれ別の道から同じ結論にたどり着く——言語は、人間のわざではなく、自然のわざである。振り子が、もっとも大きく「自然法則」の側に振れる年。

142

例外なき法則、そして人間への一歩——ブルークマン

「音法則は例外なく働く」——自然法則の側、もっとも強い言葉を掲げた同じ学者が、同時に「類推」という、きわめて人間的な力を認めた。一人の学者の中に、この系譜全体の振り子が、縮図として現れる章。

143

進歩としての単純化——イェスペルセンの反転

シュライヒャーが「衰退」と呼んだ現象を、イェスペルセンは「進歩」として読み直す。子どもの言い間違いも、ピジン語も、人間の適応力の証拠として。振り子が、はっきりと「人間の営み」側へ動く章。

144

実際に何が起きたか——アンソニーと、221年越しの答え

言語の変化は、名もなき人々が、荷馬車に乗り、制度を結びながら進めた、現実の歴史だった。2007年、考古学者が示したのは、この系譜が221年かけて動いてきた振り子への、一つの答えである。系譜の最後の章。

← ホームへ